2026年9月6日、東京・ニューピアホールで開催される「SOUMEI Presents DEEP TOKYO IMPACT 2026 4th ROUND」。昼大会の主役は、59kg以下契約で向き合う窪田泰斗と飴山聖也だ。打撃の攻防が期待されるメインだが、勝負を考えるうえでは、パンチを当てた後、あるいは組まれた後の選択まで見ておきたい。セミの森俊樹対杉野亜蓮、プロデビューを迎える須田雄律の一戦にも、得意技を勝利へ結びつける過程を問う面白さがある。
本戦開始は12:00、オープニングファイトは11:45。公式案内では11:40からU-NEXTとDEEP/DEEP JEWELSのYouTubeメンバーシップで配信される。以下は大会前の情報に基づくプレビューであり、戦術の見立てと予想は編集部によるものだ。大会公式情報
窪田泰斗 vs 飴山聖也――打ち合う自由を、誰が奪うか
メインは59kg以下、5分3R。窪田は前日計量でフライ級への転向を志向するコメントを残し、飴山は東京で初めて務めるメインへの期待に応えたいと語った。今回はあくまで59kgの契約戦だが、窪田にとっては次の階級を見据えて内容を示す機会でもある。前日コメント
窪田の戦いを、打撃だけに限定して捉える必要はない。Sherdogの試合記録には、日比野“エビ中”純也をパンチによるTKOで下した試合と、ツイスターで一本を奪った試合の両方が残る。橋本優大にはキムラで勝利。一方で直近の小崎連戦は判定負けだった。相手の攻撃をしのいで距離を詰めたときに、打撃戦とは別の勝負を持ち込める点が分析の出発点になる。窪田の試合記録
飴山は太一をパンチでTKOに下した後、RIZINで平本丈のリアネイキッドチョークに敗れた。RIZIN公式の記録とSherdogの双方で、この決着は確認できる。強打を持つからこそ、相手を追う場面で背中や首をどう守るかが重要になる。RIZIN公式プロフィール・結果、飴山の試合記録
窪田の勝ち筋は、飴山に気持ちよく連打させず、打撃から組みへと局面を切り替えることだろう。飴山が打とうとした瞬間に接触し、壁際や寝技で考える時間を奪えれば、パンチ力だけでは決められない試合にできる。逆に飴山は、窪田をぐらつかせても追撃を急ぎ過ぎず、相手の組みへの入口を見ながら攻撃を重ねたい。倒すことと、倒した後に安全に仕留めることは別の課題だ。
編集部の予想は窪田の判定勝ち寄り。根拠は、確認できる勝利の手段に打撃と関節技があり、試合の形を変える選択肢を持っていることにある。ただし、飴山が接触される前に強打を届かせれば、その設計は崩れる。最初の強打だけでなく、窪田が組みに切り替える瞬間と、飴山がそれを外した直後まで追いたい。
森俊樹 vs 杉野亜蓮――倒す力と、首を捕まえる力
フェザー級、5分3Rのセミファイナル。木下カラテの欠場により、杉野亜蓮の相手は森俊樹へ変更された。相手が変われば、用意していた距離や入り方もそのまま通用するとは限らない。カード変更と試合順
森については、レスリングを背景に持つことが試合レポートで紹介されている。安井飛馬戦ではバックへ回る攻防などを見せたが、最終裁定は反則による失格だった。今回は、その試合を勝利として扱うことはできない。安井対森・裁定変更を含むレポート
杉野はダイヤ戦で、ボディロックから倒して背後へ回り、最後は相手のタックルにギロチンチョークを合わせたと報じられている。自分から倒しにいく攻めと、相手が入ってくる瞬間に首を捕まえる攻め。その両方が、この組み合わせを興味深くする。杉野対ダイヤの試合レポート
森が組み勝負を選ぶなら、頭の位置を保ちながら相手を崩し、倒した先のポジションまで確保したい。杉野には、首を狙う選択肢を見せることで森の入り方を制限する道がある。ただ、絞めに固執して下に残れば、森に攻め続ける時間を渡しかねない。予想は杉野の一本勝ちを僅かに支持するが、根拠は前戦で示した迎撃の絞めであり、森に対する組みの総合的な優位まで確認できたわけではない。
橋本ユウタ vs 須田雄律――新人の評価は、上を取った後に見える
第8試合はフライ級、5分2R。須田雄律はこの一戦でプロデビューを迎える。MMAPLANETの取材では、幼少期からの柔術やキッズ・ジュニア修斗の経験に加え、上の位置からパウンドを打てる姿勢を重視した練習が紹介されている。須田雄律インタビュー
注目したいのは、単にテイクダウンできるかではない。相手が起きようとしたとき、殴れる姿勢を維持したまま止められるか。強く振りかぶるほど自分の重心も動くため、攻撃とコントロールを両立させる必要がある。
橋本は前日コメントで、新人との対戦が続く状況から先へ進みたいという趣旨を語った。須田を受け止める役に収まるつもりはないだろう。須田が組みつく前に打撃で足を止め、倒されてもすぐに立つ攻防へ移れれば、デビュー戦の相手に判断を重ねさせられる。橋本・須田の前日コメント
予想は須田寄りだが、期待先行の評価になる点は留保したい。プロの相手に同じポジショニングを実行できるかは、この試合で確かめるべき部分だからだ。橋本が最初の組みをほどいた場合に、須田が次の攻撃をどう作り直すかまでが見どころになる。
残るカードにも、それぞれの再出発がある
第9試合・唐沢タツヤ vs 杉野光星|バンタム級・5分2R
前日報道では、寝技を持ち味とする唐沢と、修斗からDEEPに初参戦する杉野光星という構図が紹介されている。唐沢が接触を維持して得意な局面へ進めるか、杉野がその入口を断って自分の攻撃を続けられるかが焦点だ。大会を変えての初戦は、勝利とともに「どんな試合をする選手か」を示す場にもなる。前日取材
第7試合・豪瑠 vs 高島俊哉|ストロー級・5分2R
豪瑠は前日コメントで、高島がかつての練習仲間だったと明かし、当時からの変化を試合で見せたいと話している。高島は若い選手の壁になる意欲を示した。練習時の印象を持つ相手同士だけに、その予測をずらす最初の攻防に注目したい。両者の前日コメント
第6試合・黒岡裕真 vs 坂本岳|バンタム級・5分2R
坂本はこの試合の勝利に向けて準備してきたと語り、黒岡も勝ちに行く意思を示した。詳細な戦型の優劣を断定する材料は限られるが、短い試合時間の中で、相手の出方を確認する時間と自分から仕掛ける時間をどう配分するかを観たい。最初の攻防で意図が通らなかった側の修正が見どころになる。前日コメント
第5試合・ダイヤ vs ヴィニシウス|フェザー級・5分2R
ダイヤは杉野亜蓮戦でタックルにギロチンを合わされたと報じられており、組みに入る際の首の守り方に注目したい。ヴィニシウスの得意技は、今回確認した資料だけでは断定しない。相手の型を決めつけるより、ダイヤが打撃と組みのつなぎ目をどう整えたかを追うと、再起戦の中身が見えてくる。前戦の攻防
第4試合・安永吏成 vs 平井聡一朗|フライ級・5分2R
安永が覚悟を強調する一方、平井は夏の練習の成果を示したいと語った。気迫が先行する局面でも、自分の攻撃を終えた後に防御へ戻れるかが大切になる。両者の発言を、序盤の仕掛け方やラウンド間の修正と照らして観たい。前日コメント
第3試合・藤井連 vs 権藤悠太郎|フェザー級・5分2R
権藤はデビュー戦への意気込みを述べ、藤井はフィニッシュを目指す姿勢を示している。権藤が最初の接触で落ち着いて自分の攻撃に移れるか、藤井が決着を急ぐ中でも攻守の順番を崩さないか。新人の試合は、最初の失敗の後にどう立て直すかにも注目したい。前日コメント
第2試合・小笠原孝成 vs 尚太郎|バンタム級・5分2R
小笠原はプロデビューへの強い思いを語り、尚太郎は前回より落ち着いて試合を迎えられると述べた。ここでは勢いと落ち着きのどちらが攻防に表れるかを観たい。気持ちを前進につなげつつ、相手の反応を読む余裕を残せる側が主導権を取りやすいというのが編集部の見立てだ。前日コメント
第1試合・山口コウタ vs 佐藤修斗|バンタム級・5分2R
両者とも前日にはフィニッシュを目指す意思を示している。早い決着への意欲がかみ合えば、開始直後から密度の高い攻防が期待できる。反対に、相手が応じなかったときにも攻撃を組み立てられるかが、その意気込みを勝利へ変える条件になる。前日コメント
オープニングファイト・岸翔大 vs サカテロ|フライ級・3分2R・アマチュアSルール
本戦より短いラウンドで行われる一戦。前日には両者が強気の言葉を交わしており、まず自分から動く姿勢を期待したい。アマチュアSルールとして本戦と区別しながら、初動の速さと、接触した後の落ち着きを観るカードになる。前日コメント
勝った瞬間より、その手前を見る
窪田と飴山なら、打撃を組みに変える瞬間。森と杉野なら、倒しにいく動きと首を捕まえる動きの交差。橋本と須田なら、上を取った後の攻撃と立ち上がりの争い。決着に至る少し前の選択へ目を向けると、昼大会の見え方はぐっと具体的になる。
なお、関鉄矢対狩野優、サンシャイン対上田遥斗は欠場による中止が発表されており、本稿の対象から除いた。掲載した開催予定カードは、本戦11試合とオープニング1試合の計12試合。試合順・表記は執筆時点の公式大会ページに合わせた。

